1.新宿の女

作詞:石坂まさを・みずの稔
作曲:石坂まさを

私が男に なれたなら
私は女を 捨てないわ
ネオンぐらしの 蝶々には
やさしい言葉が しみたのよ
バカだな バカだな だまされちゃって
夜が冷たい 新宿の女

何度もあなたに 泣かされた
それでもすがった すがってた
まことつくせば いつの日か
わかってくれると 信じてた
バカだな バカだな だまされちゃって
夜が冷たい 新宿の女

あなたの夢見て 目が濡れた
夜更けのさみしい カウンター
ポイとビールの 栓のよに
私を見捨てた 人なのに
バカだな バカだな だまされちゃって
夜が冷たい 新宿の女


2.生命ぎりぎり

作詞:石坂まさを
作曲:石坂まさを

夜に疲れた恋に疲れた蝶々が一人
酔って泣いてる花の陰
いいよ いいのさ
私のことなら放っといて
誰も知らない東京で
生命ぎりぎり 生命ぎりぎり
燃やして 死ぬのさ

好きで恋して好きで別れた男のかげを
思い出さすな夜の雨
どうせ酒場にゃ
よくある話のその一つ
うわべばかりのしあわせに
酔った私が 酔った私が
馬鹿 だったのさ

誰が泣こうと誰が笑おとネオンの町は
背中あわせの人ばかり
いいよ いいのさ
飾った愛などいるものか
いつか花咲く夢をみて
生命ぎりぎり 生命ぎりぎり
燃やして 死ぬのさ


3.女のブルース

作詞:石坂まさを
作曲:猪俣公章

女ですもの 恋をする
女ですもの 夢に酔う
女ですもの ただ一人
女ですもの 生きて行く

あなたひとりに すがりたい
あなたひとりに 甘えたい
あなたひとりに この命
あなたひとりに ささげたい

ここは東京 ネオン町
ここは東京 なみだ町
ここは東京 なにもかも
ここは東京 嘘の町

何処で生きても 風が吹く
何処で生きても 雨が降る
何処で生きても ひとり花
何処で生きても いつか散る


4.あなた任せのブルース

作詞:石坂まさを
作曲:森川登

誰かに頼って 生きなけりゃ
息もできない この世界
いいわ私は あなた任せ
夜も昼も 昼も朝も 又、夜も
あー私は あなたのものになるわ

男と女のカクテルが
夜の東京を つくるのね
そうよ今夜は 二人で飲んで
口も髪も 髪も腕も 又、口も
あーあなたも わたしのものになって

誰がさみしい 町だから
花に蝶々が からむのね
泣かさないでね あなた任せ
今も過去も 過去も明日も 又、今も
あー私は あなたのものになるわ


5.圭子の夢は夜ひらく

作詞:石坂まさを
作曲:曽根幸明

赤く咲くのは けしの花
白く咲くのは 百合の花
どう咲きゃいいのさ この私
夢は夜ひらく

十五、十六、十七と
私の人生暗かった
過去はどんなに暗くとも
夢は夜ひらく

昨日マー坊 今日トミー
明日はジョージかケン坊か
恋ははかなく過ぎて行き
夢は夜ひらく

夜咲くネオンは 嘘の花
夜飛ぶ蝶々も 嘘の花
嘘を肴に 酒をくみゃ
夢は夜ひらく

前を見るよな 柄じゃない
うしろ向くよな 柄じゃない
よそ見してたら 泣きを見た
夢は夜ひらく

一から十まで 馬鹿でした
馬鹿にゃ未練はないけれど
忘れられない 奴ばかり
夢は夜ひらく 夢は夜ひらく


6.東京流れもの

作詞:石坂まさを
作曲:不詳

風が吹いたら 吹かれます
雨が降ったら 濡れまする
馬鹿な男と 云わりょうと
馬鹿は承知の 一本気
あー 東京流れもの

あの娘可愛い かれん花
俺がいたんじゃ トゲを持つ
すねるつもりじゃ ないけれど
情け知らずの 恋知らず
あー 東京流れもの

姓は誰々 名は誰と
一人自分にきる タンカ
笑いなさるな 極道の
こんな俺にも 意地がある
あー 東京流れもの

男一匹 皮ジャンに
飾りましょうか 白い花
聞いてくれるな 身の上は
明日も一人で 流れてく
あー 東京流れもの


7.命預けます

作詞:石坂まさを
作曲:石坂まさを

命預けます
流れ流れて 東京は
夜の新宿 花園で
やっと開いた 花一つ
こんな女でよかったら
命預けます

命預けます
嘘もつきます 生きるため
酒も飲みます 生きるため
すねるつもりは ないけれど
こんな女でよかったら
命預けます

命預けます
雨の降る夜は 雨になき
風の吹く日は 風に泣き
いつか涙も 枯れはてた
こんな女で良かったら
命預けます


8.女は恋に生きてゆく

作詞:石坂まさを
作曲:石坂まさを

貴方はいいでしょ 私がいなくても
私はだめなの 貴方がいなけりゃ
女はひとりじゃ 生きてゆけないわ
男の愛が あればこそ
悲しみも 喜びも ネオン化粧に
隠して 生きるのよ

貴方に今日で 三日も会えない
このせつなさは どうすりゃいいの
あなたが 私を 変えてしまったの
小雨のように 泣き虫に
悲しみも 喜びも 貴方しだいの
女にさせたのよ

貴方が死んだら 私は死ぬけど
私が死んでも 誰も泣かない
お酒を飲んでも とても酔えないわ
貴方のことを 思ったら
悲しみも 喜びも ネオン化粧に
隠して 生きるのよ


9.さいはての女

作詞:石坂まさを
作曲:彩木雅夫

惚れてふられた 女でも
なんで泣きなど 見せらりょか
心に誓った 恋だもの
あなたの命に
命になって死にたい
この私

みんな忘れた つもりでも
忘れられない 夢もある
笑っておくれよ さみしくて
今夜はお酒に
お酒にすがりつきたい
ただ一途

流れ流れて さいはては
窓も凍(しば)れる この酒場
面影一つに 薄れても
わたしの命は
命は燃えてつきない
いつまでも


10.恋仁義

作詞:石坂まさを
作曲:曾根幸明

あなたと死んでも 命は命
一人 生きても 恋は恋
惚れていながら 身を引く心
それが女の それが女の
恋仁義

何から何まで おしえてくれた
なんであなたを 憎めましょう
好きも嫌いも 今ではないさ
あれは私の あれは私の
負けだもの

ふられて泣くのは 女じゃないよ
泣けばさめます この恋が
一度燃えたら 二度とは燃えぬ
誠一途の 誠一途の
恋仁義


11.みちのく小唄

作詞:石坂まさを
作曲:野々卓也

恋のみちのく 青森は
情ひとすじ 津軽っ娘
ほしきゃあげます 十八の
雪の肌より 純な恋

夢にみるのは 北上の
匂いやさしい 白百合よ
誰がうたうか 知らないが
岩手 詩国(うたぐに) 恋の国

雨がしんしん 降る夜は
こけし人形の 目が濡れる
聞いてくれるな その訳は
秋田生まれは 深情

愛の仙台 七夕の
夜は咲きます 恋一つ
二人あそんだ 松島の
夢もうれしい 一番町

祭り花笠 山形は
米としょうぎと 恋どころ
惚れてふられて 又惚れりゃ
おばこ嬉しや 紅の花

須坂ばんだい 東山
愛の別れが 霧となる
若い二人の 福島は
忘れられない 恋ばかり


12.京都から博多まで

作詞:阿久悠
作曲:猪俣公章

肩につめたい 小雨が重い
思いきれない 未練が重い
鐘が鳴る鳴る 哀れむように
馬鹿な女と 云うように
京都から博多まで あなたを追って
西へ流れて行く女

二度も三度も 恋したあげく
やはりあなたと 心にきめた
汽車が行く行く 瀬戸内ぞいに
沈む気持を ふり捨てて
京都から博多まで あなたを追って
恋をたずねて行く女

京都育ちが 博多になれて
可愛いなまりも いつしか消えた
ひとりしみじみ 不幸を感じ
ついてないわと 云いながら
京都から博多まで あなたを追って
今日も逢えずに泣く女


13.別れの旅

作詞:阿久悠
作曲:猪俣公章

夜空は暗く 心も暗く
さびしい手と手 重ねて汽車に乗る
北は晴れかしら それとも雨か……
愛の終わりの 旅に出る二人

指さすあなた 見つめる私
流れる町は きえてゆく思い出
何か話してよ 話してほしい……
愛のくらしが やがて終わるのに

つめたい風に 小雨がまじる
夜明けの駅の ホームに立つ二人
今も愛してる 愛ある別れ……
そんな旅路も すぐに終わるのね

終着駅の 改札ぬけて
それから後は 他人になると云う
二年ありがとう しあわせでした……
後見ないで 生きて行くでしょう
生きて行くでしょう


14.明日から私は

作詞:山上路夫
作曲:鈴木邦彦

あきらめました あなたのことは
何も云わずに 身を引くわ
帰るあなたを 待ちながら
今日も生きてる 女(ひと)がいる
愛せないのよ 愛せないのよ
もうこれ以上

どうして二人 出会ったかしら
さだめ哀しい 霧の夜
愛し合っては いけないと
強く心に 言いきかせ
いつかおぼれた いつかおぼれた
あなたの愛に

あきらめました 二人の恋は
水に流して 旅に出る
どこか小さな 町に行き
そこで私は 暮らしたい
すべて忘れて すべて忘れて
これから独り


15.私は京都へ帰ります

作詞:山口洋子
作曲:猪俣公章

小雨さみしい 博多の街へ
恋した貴方に 会いたくて
やって来ました 二年前
鞄一つで 泣いていた
まるであの日と 同じよに
私は京都へ帰ります

瞼閉じれば 涙があふれる
想えば悲しい この私
恋ははかなく 死にました
人もまばらな 柳橋
ひえたベンチに 身をおとし
このまま死んで しまいたい

雨に流れる 見なれたこの街
ゆれてる灯りの その一つ
夢をあずけた 人がいる
窓のうしろへ うしろへと
未練心が はしります
私は京都へ帰ります


16.命火

作詞:石坂まさを
作曲:石坂まさを

いのちびよ
誰を頼って 生きりゃいい
夜の東京は 寒すぎる
恋をして傷ついて 想うは母のこと
夕焼けのふるさとが
まぶたを又よぎる
いのちびよ
明日という日は 来るかしら

いのちびよ
人は家路を なぜ急ぐ
みんなおんなじ 顔をして
雨の日は酒を飲み 陽気に騒ぎたい
知っていてふさぎこむ
ギターは嫌いだよ
いのちびよ
故郷(くに)の歌でも 歌おうか

いのちびよ
肌にタバコを 押しあてて
愛の未練を ちぎりたい
人の世のしあわせを なんども追いかけて
つまずいて又歩く
女の遠い道
いのちびよ
生きてゆくって なんなのさ


17.はしご酒

作詞:はぞのなな
作曲:赤坂通

人の情けが ひとしずく
しみて苦労を 忘れ酒
昔恋しい下町の 夢が花咲く錦糸町
よってらっしゃい よってらっしゃい お兄さん

顔や姿にゃ ほれないが
男らしさにゃ しびれちゃう
そんな女(こ)がいる亀戸に
恋を平井にまわり道
よってらっしゃい よってらっしゃい お兄さん

飲めば飲むほど うれしくて
しらずしらずに はしご酒
恋は小岩とへたなしゃれ
酒の肴にほすグラス
よってらっしゃい よってらっしゃい お兄さん

遊びじょうずな 人だから
あなた 仕事を押上よ
金がなくても金町は
させてあげますいい思い
よってらっしゃい よってらっしゃい お兄さん

男まさりの ママがいる
格子作りのいきな店
江戸の名残りの浅草は
木遣(きやり)くずしの酒の味
よってらっしゃい よってらっしゃい お兄さん


18.聞いて下さい私の人生

作詞:六本木哲・補作詞:岡千秋
作曲:六本木哲

聞いて下さい 私の人生
生れさいはて 北の国
おさな心は やみの中
光もとめて 生きて来た
そんな過去にも くじけずに
苦労 七坂 歌の旅
涙こらえた 今日もまた
女心を ひとすじに
声がかれても つぶれても
根性 根性 ひとすじ演歌道

花の十六 演歌にたくし
夜の裏町 流し唄
母につれられ 生きるため
苦労 山河 越えながら
歌に心を ささえられ
海鳴り 潮風 子守唄
明日に希望を かけながら
唄う圭子の この姿
声がかれても つぶれても
根性 根性 ひとすじ演歌道


19.面影平野

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

女一人の住まいにしては
私の部屋には色がない
薄いグレーの絨毯の上
赤いお酒をこぼしてみよか
波紋のように足許に
涙のあとが広がって
酔えないよ 酔えないよ
六畳一間の 面影平野

私一人が眠るにしては
大きなベットは邪魔なだけ
緑に腰かけ背中を丸め
過ぎた月日をひも解いている
足の踏み場もないほどに
悲しみばかり散らかって
危ないよ 危ないよ
六畳一間の 面影平野

最後の夜に吹き荒れてった
いさかいの後の割れガラス
修理もせずに季節がずれた
頬に冷たいすきま風
虫の音さえも身に染みる
思い出ばかり群がって

切ないよ 切ないよ
六畳一間の 面影平野

切ないよ 切ないよ
六畳一間の 面影平野


20.可愛い女

作詞:中山大三郎
作曲:船村徹

まるで 私の人生に
たのしいことなど なかったわ
いつもだれかに 気をつかい
一歩さがって 泣くばかり

わたし生まれは よくないし
ひとりじゃなんにも 出来ないし
酔ったあなたに ぶたれても
今の暮らしで しあわせよ

あなたひとりを 生きがいに
一生懸命 つくします
もしも 別れが来るときは
つくしたりない ためでしょう

いじめられても いいんです
叱られたって うれしいの
顔をうずめて 眠れたら
何の不満が ありましょう

生きてゆきましょ 二人して
世間の陰口 気にせずに
そしてゆとりが 出来たなら
旅もしたいわ そこらまで

晩の買物 すみました
洗たく物など たたみます
あなたのシャツを 抱きしめて
バスのつくのを 待ってます


21.螢火

作詞:阿木燿子
作曲:三島大輔

季節はずれの螢火を 宿した女の悲しみは
行きずり故に 懐しく 短い旅の終り街
ここで ここで 右左
ここで ここで 西東
チロチロ燃える ユラユラ揺れる
尽し足りない 未練の灯(ひ)
ここで ここで 右左
ここで ここで 西東
ここで ここで 右左
ここで ここで 西東

時計はずして放り込む 一度は死のうとした川が
病葉(わくらば)浮かべ 流れてく はかない旅の別れ街
そこで そこで 振り向かず
そこで そこで 今日(きょう)・明日(あした)
チカチカ点(とも)る ポツポツ消える
愛し足りない 心の灯(ひ)
そこで そこで 振り向かず
そこで そこで 今日(きょう)・明日(あした)
そこで そこで 振り向かず
そこで そこで 今日(きょう)・明日(あした)

三日あなたと過した 想い出があれば
私はひとりで 生きてゆける
三日あなたと一緒の 想い出があれば
私はこれから 生きてゆける
三日あなたと過した 想い出があれば
私は一生 生きてゆける


22.アカシアの雨がやむ時

作詞:水木かおる
作曲:藤原秀行

アカシアの雨にうたれて
このまま死んでしまいたい
夜があける 日がのぼる
朝の光のその中で
冷たくなった私を見つけて
あの人は
涙を流してくれるでしょうか

アカシアの雨に泣いてる
切ない胸はわかるまい
思い出の ペンダント
白い真珠のこの肌で
淋しい今日もあたためてるのに
あの人は
冷たい瞳をして 何処かへ消えた

アカシアの雨がやむ時
青空さして 鳩がとぶ
むらさきの 羽の色
それはベンチの片隅で
冷たくなった私のぬけがら
あの人を
さがして遥かに 飛び立つ影よ


23.今日でお別れ

作詞:なかにし礼
作曲:宇井あきら

今日でお別れね もう逢えない
涙を見せずに いたいけれど
信じられないの そのひとこと
あの甘い言葉を ささやいたあなたが
突然 さようなら 言えるなんて

最後のタバコに 火をつけましょう
曲ったネクタイ なおさせてね
あなたの背広や 身のまわりに
やさしく気を配る 胸はずむ仕事は
これから どなたが するのかしら

今日でお別れね もう逢えない
あなたも涙を 見せてほしい
何も云わないで 気休めなど
こみあげる涙は こみあげる涙は
言葉にならない さようなら
さようなら


24.カスバの女

作詞:大高ひさを
作曲:久我山明

涙じゃないのよ 浮気な雨に
ちょっぴり この頬 濡らしただけさ
ここは地の果て アルジェリヤ
どうせカスバの夜に咲く
酒場の女の うす情け

唄ってあげましょ わたしでよけりゃ
セーヌのたそがれ 瞼の都
花はマロニエ シャンゼリゼ
赤い風車の 踊り子の
今更かえらぬ 身の上を

貴男もわたしも 買われた命
恋してみたとて 一夜の火花
明日はチェニスか モロッコか
泣いて手をふる うしろ影
外人部隊の 白い服


25.知りすぎたのね

作詞:なかにし礼
作曲:なかにし礼

知りすぎたのね あまりに私を
知りすぎたのね 私のすべて
恋は終わりね 秘密がないから
話す言葉も うつろにひびく
嫌われたくなくて 嫌われたくなくて
みんなあなたに あげたバカな私
捨てられたのね 私はあなたに
いいのよいいの 作り涙なんか

知りすぎたのね あまりに私を
知りすぎたのね 私のすべて
花から花へ 蝶々が舞うように
ほかの誰かを 恋するあなた
嫌われたくなくて 嫌われたくなくて
みんなあなたに あげたバカな私
捨てられたのね 私はあなたに
しおれた花が 捨てられるように


26.雨がやんだら

作詞:なかにし礼
作曲:筒美京平

雨がやんだら お別れなのね
二人の思い出 水に流して
二度と開けない 南の窓に
ブルーのカーテン引きましょう
濡れたコートで 濡れた体で
あなたは あなたは
誰に誰に 逢いに行くのかしら
雨がやんだら 私はひとり
ドアに もたれて 泪にむせぶ

雨がやんだら 出て行くあなた
冷たい靴音 耳に残して
あなたがつくった インクのしみを
花瓶をずらして 隠しましょう

濡れたコートを 濡れた体を
あなたは あなたは
誰に誰に あたためてもらうの
雨がやんだら 私はひとり
あなたのガウンを まとってねむる

濡れたコートを 濡れた体を
あなたは あなたは
誰に誰に あたためてもらうの
雨がやんだら 私はひとり
あなたのガウンを まとってねむる


27.霧の摩周湖

作詞:水島哲
作曲:平尾昌晃

霧にだかれて しずかに眠る
星も見えない 湖にひとり
ちぎれた愛の 思い出さえも
映さぬ水に あふれる涙
霧にあなたの 名前を呼べば
こだませつない 摩周湖の夜

あなたがいれば 楽しいはずの
旅路の空も 泣いてる霧に
いつかあなたが 話してくれた
北のさいはて 摩周湖の夜


28.女の意地

作詞:鈴木道明
作曲:鈴木道明

こんなに別れが 苦しいものなら
二度と恋など したくはないわ
忘れられない あのひとだけど
別れにゃならない 女の意地なの

二度と逢うまい 別れた人に
逢えば未練の 涙をさそう
夜風つめたく まぶたにしみて
女心ははかなく 哀しい

想い出すまい 別れた人を
女心は 頼りないのよ
泪こらえて 夜空を仰げば
またたく星が にじんでこぼれた


29.逢わずに愛して

作詞:川内康範
作曲:彩木雅夫

涙枯れても 夢よ枯れるな
二度と咲かない 花だけど
夢の夢のかけらを
せめてせめて こころに
あゝ 永久にちりばめ
逢わずに愛して いついつまでも

逢えば別れが つらくて泣ける
恋のねぐらは どこにある
鳥に鳥になりたい
そっとそっと こころで
あゝ 紅の命を
逢わずに愛して いついつまでも

はなればなれの 運命におかれ
逢いがなおさら つよくなる
何が何があっても
すがりすがり 生きぬく
あゝ 死にはしないわ
逢わずに愛して いついつまでも


30.港町ブルース

作詞:深津武・補作詞:なかにし礼
作曲:猪俣公章

背のびしてみる海峡を
今日も汽笛が遠ざかる
あなたにあげた 夜をかえして
港、港 函館 通り雨

流す涙で割る酒は
だました男の味がする
あなたの影を ひきずりながら
港、宮古 釜石 気仙沼

出船 入船 別れ船
あなた乗せない帰り船
うしろ姿も 他人のそら似
港、三崎 焼津に 御前崎

別れりゃ三月待ちわびる
女心のやるせなさ
明日はいらない 今夜が欲しい
港、高知 高松 八幡浜

呼んでとどかぬ人の名を
こぼれた酒と指で書く
海に涙の ああ愚痴ばかり
港、別府 長崎 枕崎

女心の残り火は
燃えて身をやく桜島
ここは鹿児島 旅路の果てか
港、港町ブルースよ


31.別れの朝

作詞:なかにし礼
作曲:ウド・ユルゲンス

別れの朝 ふたりは
さめた紅茶 のみほし
さようならの くちづけ
わらいながら 交わした

別れの朝 ふたりは
白いドアを 開いて
駅につづく 小怪を
何も言わず 歩いた

言わないで なぐさめは
涙をさそうから
触れないで この指に
心が乱れるから

やがて汽車は 出てゆき
一人残る 私は
ちぎれるほど 手をふる
あなたの目を 見ていた

言わないで なぐさめは
涙をさそうから
触れないで この指に
心が乱れるから

ルルル……
あなたの目を見ていた


32.うそ

作詞:山口洋子
作曲:平尾昌晃

折れた煙草の 吸いがらで
あなたの嘘が わかるのよ
誰かいい女 出来たのね
出来たのね
あー 半年あまりの 恋なのに
あー エプロン姿が よく似合う
爪もそめずに いてくれと
女があとから 泣けるよな
哀しい嘘の つける人

あなた残した わるいくせ
夜中に電話 かけるくせ
鍵をかけずに ねむるくせ
ねむるくせ
あー 一緒になる気も ないくせに
あー 花嫁衣装は どうするの
僕は着物が 好きだよと
あついくちづけ くれながら
冷たい嘘の つける人

あー あんまり飲んでは いけないよ
あー 帰りの車も気をつけて
ひとりの身体じゃ ないなんて
女がほろりと くるような
優しい嘘の 上手い人


33.北国行きで

作詞:山上路夫
作曲:鈴木邦彦

つぎの北国行きが来たら乗るの
スーツケースをひとつ下げて乗るの
アー 何もあなたは知らないの
この町と別れるの
明日あなたにお別れの
手紙が届くわきっと
いつも別れましょうと言ったけれど
そうよ 今度だけは
ほんとのことなの

つぎの北国行きで消えてゆくの
二人愛した街を去ってゆくの
アー 愛に疲れた二人なら
このままで身を引くの
にくみ合わないその前に
私は消えてゆくの
いつも別れましょうと言ったけれど
そうよ 今度だけは
ほんとのことなの

アー 電話かけてもベルだけが
空き部屋にひびくだけ
明日私のいないこと
その時に気づくでしょう
いつも別れましょうと言ったけれど
そうよ 今度だけは
ほんとのことなの


34.北国の春

作詞:いではく
作曲:遠藤実

白樺 青空 南風
こぶし咲くあの丘
北国の あゝ北国の春
季節が都会ではわからないだろうと
届いたおふくろの 小さな包み
あの故郷(ふるさと)へ 帰ろかな 帰ろかな

雪どけ せせらぎ 丸木橋
落葉松の芽がふく
北国の あゝ北国の春
好きだとおたがいに言い出せないまま
別れてもう五年 あのこはどうしてる
あの故郷へ 帰ろかな 帰ろかな

山吹き 朝霧 水車小屋
わらべ唄聞こえる
北国の あゝ北国の春
あにきもおやじ似で無口なふたりが
たまには酒でも 飲んでるだろうか
あの故郷へ 帰ろかな 帰ろかな


35.ひとり寝の子守唄

作詞:加藤登紀子
作曲:加藤登紀子

ひとりで寝る時にゃよォー
ひざっ小僧が寒かろう
おなごを抱くように
あたためておやりよ

ひとりで寝る時にゃよォー
天井のねずみが
歌ってくれるだろう
いっしよに歌えるよ

ひとりで寝る時にゃよォー
もみがら枕を
想い出がぬらすだろう
人恋しさに

ひとりで寝る時にゃよォー
浮気な夜風が
トントン戸をたたき
お前を呼ぶだろう

ひとりで寝る時にゃよォー
夜明けの青さが
教えてくれるだろう
一人者もいいもんだと

ひとりで寝る時にゃよォー
ムムム……
ラララララララララ…………


36.旅の終りに

作詞:立原岬
作曲:菊池俊輔

流れ流れて さすらう旅は
きょうは函館 あしたは釧路
希望も恋も 忘れた俺の
肩につめたい 夜の雨

春にそむいて 世間にすねて
ひとり行くのも 男のこころ
誰にわかって ほしくはないが
なぜかさみしい 秋もある

旅の終りに みつけた夢は
北の港の ちいさな酒場
暗い灯影に 肩寄せあって
歌う故郷の 子守唄


37.おもいで酒

作詞:高田直和
作曲:梅谷忠洋

無理して飲んじゃいけないと
肩をやさしく抱きよせた
あの人どうしているかしら
噂をきけばあいたくて
おもいで酒に酔うばかり

ボトルに別れた日を書いて
そっと涙の小指かむ
あの人どうしているかしら
出船の汽笛ききながら
おもいで酒に酔うばかり

いつかは忘れる人なのに
飲めば未練がまたつのる
あの人どうしているかしら
くらしも荒れたこのごろは
おもいで酒に酔うばかり


38.みちのく一人旅

作詞:市場馨
作曲:三島大輔

ここでいっしょに 死ねたらいいと
すがる涙の いじらしさ
その場しのぎの なぐさめ云って
みちのく ひとり旅
うしろ髪ひく かなしい声を
背(せな)でたちきる 道しるべ
生きていたなら いつかは逢える
夢でも逢えるだろう

時の流れに 逆らいながら
ひとりゆく身の 胸のうち
俺は男と つぶやきながら
みちのくひとり旅
月の松島 しぐれの白河
昨日と明日は ちがうけど
遠くなるほど いとしさつのる
みれんがつのるだけ

たとえどんなに 恨んでいても
たとえどんなに 灯りがほしくても
お前が俺には 最後の女
俺にはお前が 最後の女
たとえどんなに つめたく別れても
お前が俺には 最後の女
たとえどんなに 流れていても
お前が俺には 最後の女


39.舟唄

作詞:阿久悠
作曲:浜圭介

お酒はぬるめの 燗(かん)がいい
肴(さかな)はあぶった イカでいい
女は無口な ひとがいい
灯りはぼんやり 灯(とも)りゃいい
しみじみ飲めば しみじみと
想い出だけが 行き過ぎる
涙がポロリと こぼれたら
歌いだすのさ 舟唄を

沖の鴎に深酒させてヨ
いとしのあの娘とヨ 朝寝するダンチョネ

店には飾りがないがいい
窓から港が 見えりゃいい
はやりの歌など なくていい
時々霧笛が 鳴ればいい
ほろほろ飲めば ほろほろと
心がすすり 泣いている
あの頃あの娘を 思ったら
歌いだすのさ 舟唄を

ぽつぽつ飲めば ぽつぽつと
未練が胸に 舞い戻る
夜ふけてさびしくなったなら
歌いだすのさ 舟唄を
ルルル………


40.さすらい

作詞:十二村哲
作曲:北原じゅん

泣いてくれるな 流れの星よ
可愛い瞳に よく似てる
想い出さすな さすらい者は
明日の命もままならぬ

別れせつなや 孤りになって
死ぬほど好きだと 知ったのさ
花を千切って 無情にすてて
なんで未練にしのぶのか

遠い空だよ いとしい瞳
呼べどこだまは かえらない
恋は一度さ さすらい者が
男泣きしてみる夢さ


41.怨み節

作詞:伊藤俊也
作曲:菊池俊輔

花よ綺麗と おだてられ
咲いてみせれば すぐ散らされる
馬鹿なバカな 馬鹿な女の怨み節

運命(さだめ)哀しと あきらめて
泣きをみせれば また泣かされる
女おんな 女なみだの怨み節

憎い口惜(くや)しい 許せない
消すに消えない 忘れられない
尽きぬつきぬ 尽きぬ女の怨み節

夢よ未練と 嗤(わら)われて
覚めて みせます まだ覚めきれぬ
女おんな 女ごころの怨み節

真赤なバラにゃ トゲがある
刺したかないが 刺さずにゃおかぬ
燃えるもえる 燃える女の怨み節

死んで花実が 咲くじゃなし
怨み一筋 生きて行く
女おんな 女いのちの怨み節


42.網走番外地

作詞:タカオカンベ
作曲:不詳

春に 春に追われし 花も散る
酒ひけ酒ひけ 酒暮れて
どうせ 俺らの行く先は
その名も 網走番外地

キラリ キラリ光った 流れ星
燃えるこの身は 北の果て
姓は誰々 名は誰々
その名も 網走番外地

遥か遥か 彼方にや オホーツク
紅い真っ紅な ハマナスが
海を見てます 泣いてます
その名も 網走番外地

追われ 追われ この身を故里で
かばってくれた 可愛いい娘
かけてやりたや 優言葉
今の俺らじゃ ままならぬ